JR鶴見線 浅野駅界隈

横浜市鶴見区および
川崎市東海道線以東においては
この駅の名にもなった
浅野総一郎により
埋立てが行なわれて以来
多くの工場が進出し
1955年頃からは
日本の経済・高度成長を
牽引した地域として
華々しく語られています。

しかしその一方で
浅野セメント(株)の進出以降
セメント工揚の降灰問題や
ぼい煙,悪臭に端を発し
公害問題も顕著になっていきます。

なんせ当時は
石炭燃焼をエネルギーの中心とした工場が多く
微粉炭燃焼に高性能集じん装置はなく
空にはフライアッシュによる
灰色の煙がたなびぎ
ストーカーだきによるばい煙も目立ち
さらに酸素製鋼法の採用によって
酸化鉄フユームの真赤な煙が
大空を染めて大気は汚染されました。

1959年頃に武蔵白石にある
富士電機で仕事をしたことのある方から
鼻の穴も真っ黒になったという話を
聞いたこともあります。

近年、夏の注意報といえば
熱中症警戒アラート

私が小学生の頃の夏の注意報といえば
光化学スモッグ注意報」

その光化学スモッグの発生源が
ここ鶴見線沿線で
小学校の校庭から鶴見方面の空を見ると
もやがかかっていたのを覚えています。

鶴見区東海道線以東の地域が
公害病救済法の指定を受けたのも
その頃だった記憶

今でこそ工場への様々な規制や
緑化運動も進められて
人が生活できる環境になったけれど
実際に今のこの辺りを歩いたことのない
私と同世代の横浜で育った人にとって
やっぱり鶴見と聞くと
横浜の中の
「特別な場所」というイメージを
持ってしまうのも事実だと思う。

公害都市のイメージ
神奈川県の市区町村別の犯罪率は
神奈川県平均より低いのに
どこか怖く、どこか危険なイメージ
そんな偏見が払拭されるのは
もう少し先のことかな。