江ノ電300形 龍ノ口の由来

龍ノ口と言えば五頭竜の口の部分になる場所

龍ノ口で最も残念に思ったのは
龍口明神社元宮の拝殿が鳥居だけを残し
なくなってしまったことかな。

龍口寺のお隣、
お寺に向かって左側の石段の上の
流れ破風造りの古びた社殿に掲げられた
龍の彫り物は、立派だったな

龍口明神社、
今は龍の胴にあたる津村の郷
湘南モノレール西鎌倉駅近くに
移ってしまったけれど
五頭龍と江之島弁天の関係を考えると
龍口明神社は、
やっぱり江の島の真向かいにある
ここ龍ノ口に鎮座しているべきだと思います。

その江之島弁天とだき合わせた
五頭龍の伝説を記しておきます。

湘南モノレール西鎌倉駅の南、
津村の低地に大きな池があって、
五頭竜が住んでいました。
一身五頭の竜は、
洪水や山崩れを起こし
火の雨を降らす暴れん坊。
さらに子供を食べてしまいます。
里人は、里の平和を願い
毎年、子供を人身御供として
竜に差し出します。

その時、坂を越えて竜の元へ行く事から
子死越(腰越)の地名になったと
言われています。

552年4月12日、
腰越の海岸に黒雲がわき上がり
地震の鳴動と共に海上
こつ然と一つの島が現れます。
すると五色の雲がたなびき
美しい天女が左右に童子を従えて
紫雲に乗ってその島に舞い降ります。
天女は、弁財天だったといいます。

五頭竜は、
この天女を見て心奪われ結婚を申し込みます。

天女は、
「おまえは、慈悲の心なく人の命を奪う。
里人は、おまえを恐れ嫌っている。
そのような悪者と
どうして夫婦になれますか。」と断ります。

五頭竜は、深く反省し改心して
天女は、これを評して夫婦になります。

その後、五頭竜は弁財天と力を合わせ
台風から里を守ったり
恵みの雨を降らしたりしますが、
体が弱り山となり島と里人を守ると言い残し
江の島に向って長々と横たわります。

これが‘竜口山’で、
横たわった竜の口の辺りを
「竜の口」という地名として残っています。

里人は、善竜となった竜を祭って
この神社を建てました。 
 
(江之島神社縁起絵巻より)