横浜市栄区本郷台。
緑豊かな地でありながら横浜駅まで28分、大船や港南台といった商業地区に挟まれた生活便利な街。
そんな本郷台が気に入って3年半程前、ここを永住の地と決め家を建てた。
その大切な自然が、また一つ本郷台から消えてしまった。
本郷台駅のホームに立つ人は、みな悲しそうに、やるせなさそうに、悔しそうに
山が切り崩されていく様を見つめる。
もう、この駅のホームからウグイスのやすらぎの声を聞く事は出来ない。
もう、この駅のホームから赤や黄に染まった木々を見ることも出来ない。
緑豊かな地でありながら横浜駅まで28分、大船や港南台といった商業地区に挟まれた生活便利な街。
そんな本郷台が気に入って3年半程前、ここを永住の地と決め家を建てた。
その大切な自然が、また一つ本郷台から消えてしまった。
本郷台駅のホームに立つ人は、みな悲しそうに、やるせなさそうに、悔しそうに
山が切り崩されていく様を見つめる。
もう、この駅のホームからウグイスのやすらぎの声を聞く事は出来ない。
もう、この駅のホームから赤や黄に染まった木々を見ることも出来ない。
死との対話
虐待された都会の木々は
沈黙の中をぶらぶら歩く人々の助けを受けて
やがて腰を屈めてしまう
整形外科医が這入り込んだ山々は
鈍い単調な足音を醸し出す人々の助けを受けて
ザクロの様に亀裂した唇を曝け出す
沈黙の中をぶらぶら歩く人々の助けを受けて
やがて腰を屈めてしまう
整形外科医が這入り込んだ山々は
鈍い単調な足音を醸し出す人々の助けを受けて
ザクロの様に亀裂した唇を曝け出す
人間が地球の中を這い回る小さな虫であることを誰も気付きはしなかった
人間が海に放たれた淡水魚であることを誰も気付きはしなかった
目の前に築かれた神殿がこんなにも脆いものだとあの頃誰が予測しただろう
賢者の意識は目を開けたまま永遠の寝台に入ってしまった
人間が海に放たれた淡水魚であることを誰も気付きはしなかった
目の前に築かれた神殿がこんなにも脆いものだとあの頃誰が予測しただろう
賢者の意識は目を開けたまま永遠の寝台に入ってしまった
私の意識は浮遊して死と対話する
ほの白い亡霊の月日の中で私は死と対話する
ほの白い亡霊の月日の中で私は死と対話する
1981年12月5日発行 同人誌「Communication」に発表