EF65 2089  都橋商店街

大岡川沿いに気になる
長屋風の飲み屋街があります。

それが都橋から宮川橋までの
大岡川の緩やかなカーブに沿って
建てられている都橋商店街。

商店街なんて言うと
八百屋さんや魚屋さんなどの
個人商店が立ち並ぶ通りを
想像するけれど
今現在のここは、
2階建ての飲食店ビル。

6畳ほどのお店が並んだ姿にちなみ
通称‘ハーモニカ横丁’。

終戦後の野毛は、
横浜最大の露店指定地域でした。

屋台や露店がひしめき
後進国の象徴のような汚い街並みを
オリンピックを見に来る
外国人の目にさらさないよう
行政が、それらの屋台・露店を一掃。
この建物の中に
閉じ込めるために建てたのが
都橋商店街という共同店舗です。

2008年の
北京オリンピック開催時の北京では、
街をきれいに見せるため
外面だけの建物や絵を描いた壁などの
様々な工夫が話題となりましたが
1964年開催の
東京オリンピックでは、
街を日本をきれいに見せるため
行政によって
生活者を巻き込んだ取り組みが、
ここ野毛で行われました。

 
大岡川を挟んだ向かい側の街にあった
横浜文化体育館が、
バレーボール女子予選リーグ会場に決まると
東京オリンピック開催までに
露店を撤去したい市の意向のもと
60数店舗の露店は、
大岡川沿いの
都橋から 宮川橋にかけての
旧荷揚場へ移転させられたのです。

 
こうして野毛の露店は、
オリンピック開幕直前の
1964年10月9日いっぱいで営業を終了し
翌 10日に露店 撤去式がおこなわれます。

そして11月21日には
完成したビルの落成式がおこなわれ
1階部分には靴、鞄、衣料品などの売店
2階部分には喫茶、軽食などの店舗が入り、
営業を開始します。

この都橋商店街ビル、
横浜市の歴史的建造物に登録されました。
戦後建築としては
横浜市で初めての登録だそうです。