EF210 桜の雲の中

人には誰にでも
「あの日の桜」
「あの時の桜」が
瞳の奥底にあると思う。

芭蕉が詠んだ
「さまざまのこと思い出す桜かな」
ここで詠まれる花が桜でなければ、
個人の感慨で終わってしまう。
桜であることで、
過去から現在、すべての日本人に
それぞれの感傷を与える歌に
なっているように思う。

桜の存在、
それは、美しさだけではないと改めて思う。