今日の夕食どき、目の前に座る長女が突然切り出した。 「お父さん、オールしてもいい?」 「オール?」 「オールってなに?」 実は、長女が友達たちと徹夜で遊びに行きたがっていることは妻から聞かされて知っていた。 お父さんに聞いてごらんと答えといたからと妻に言われ密かに身構える日々だった。 ‘オール’の意味も妻から聞いて知っていたけれど、とぼけて長女の話を聞きます。 「友達はね、親に内緒でオールやるの。友達の家に泊まるとか言ってね。 でも私は、そんなうしろめたいこと出来ない。 親に隠し事なんてしたくないから正直に言うの。」 その言葉を聞いた時、思わず抱きしめたくなるほど嬉しかった。 でもやっぱり「いいよ」とは言えなかった。 今の長女の歳でしか出来ないそういう経験が、 後々大きな財産になるということは自分の経験から知っている。 でも女の子だけに危ないことには、近寄らせたくない。 守ってあげなきゃという思いが先に立つ。 正直に話してくれた長女の気持ちを思うと、 落ち込んだ長女の顔を見るのが辛かった。